LaCoppiaMusica ラ・コッピア・ムジカ
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「喉によい食材」基本的な考え方

声楽教室のホームページを作った時から、食に関するコラムを書きたいと思っていました。私は食の専門家ではありませんが、食べ物が人の体を作っている、という信念をもっており、薬膳の勉強をしたり、富山大学和漢医薬学総合研究所の夏季セミナーを受講したこともあります。

声楽は、体が楽器です。風邪を引きやすかったり、体調不良が続くと、歌いたくても歌えない日々が続いてしまいます。体調を崩してから治す、のではなく、日ごろから風邪を引きにくい体を作ることが大切なんだよ、という思いを込めてこのコラムを書くことにしました。今日は、どんな基準で「喉にいい食材」を選んでいるかご紹介していきます!


最初に、漢方の考え方である「医食同源」について見ていきますよ。

医食同源とは

漢方の概念で、医食同源という言葉があります。これは、健康のためには医療も食事も源は同じ、日頃からバランスの取れた食事を美味しくいただくことで、病気を予防したり、治すことができる、という考え方です。


声楽においては、喉の症状だけでなく、肺や胃腸など、体中の症状が歌うことに影響を及ぼします。より良く歌うために健康であることが不可欠なのです。


医食同源の考え方では、旬のものを美味しくいただくことがポイントになります。例えば、夏野菜に体の熱を冷ますものが多かったり、空気が乾燥し始める秋には、粘膜を補う木の実が旬だったり、その時期に必要な栄養素が旬の食材に含まれていることが多いのです。


このコラムでも、医食同源の考え方を基本として、旬の食材をおいしくいただくことを大切にしていきます。では、旬の食材の中で、どんな栄養素が喉にいいのでしょう?次の章で見ていきましょう。

喉によい栄養成分

旬のものをおいしくバランスよくいただくことを前提として、喉にとってどのような成分がいいのか。このコラムでは、以下の2つをポイントにしています。


  1. 皮膚や粘膜の健康を保つ効果がある。
  2. 抗酸化作用がある。

この2点に当てはまるのが、以下のような栄養素です。

  • ビタミンA
     粘膜の健康を保ち、正常な免疫機能を維持する。
  • β-カロテン
     体内でビタミンAに変換される。強い抗酸化作用を持つ。
  • ビタミンE
     抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける。
  • ビタミンC
     抗酸化作用、鉄の吸収を高めるはたらきがある。
  • ビタミンB6
     不足すると、湿疹や口角炎、貧血、免疫機能の低下などの原因になる。
  • パントテン酸
     ビタミンB 群の一種で、皮膚や粘膜の健康を保つはたらきがある。

など。


声帯は粘膜で覆われているため、粘膜の量が減ると声がかすれたり、音声障害の原因になります。そのため、粘膜の健康を保つビタミンAやビタミンB群は喉にいい栄養素と判断しています。


また、抗酸化作用や免疫機能に関わる栄養素は、炎症を起こすのを防ぐため、喉にいい栄養素としています。

東洋医学の視点

ここまで、西洋医学の視点から喉に良い栄養素を見てきましたが、東洋医学の考え方も参考にしています。


東洋医学では、「五行論」という考えをもとにからだの状態を知り、治療や養生に取り入れています。

五行論とは、地球のあらゆるものは「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素から成り立っているという考え方です。例えば、季節や気候、色などを五行に分類して見ていくのですが、その中に、「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」という分類があります。これは、西洋医学で考える臓器とは少し違い、機能に注目した分類になります。


その五臓の中に「肺」という機能があり、五行論の「金」にあたります。「肺」の役割は、全身の気と呼吸をコントロールし、気管や肺を潤すこと、です。


五行論の中の「五色」という分類を見てみると、「金」にあたる「色」は「白」です。そのことから、「肺」に働く食べ物は、白い食べ物が良いとされています。例えば、白ネギ、大根、れんこんなどです。


少しややこしいですが、白ネギや大根が喉にいいと言われると、確かにそうだな、と思いませんか?


このコラムの最初で、医食同源に触れましたが、このコラムでは、このような漢方の視点からも、喉によい食材を紹介していきたいと思います。

一番大切なこと

西洋医学的視点でも東洋医学的視点でも言えるのは、「身体のそれぞれの部位は、相互に連動している」ということです。


喉が痛いからと言って、喉だけが原因なわけではありませんし、喉の痛みを予防するために、喉にいいものだけ食べていればいいわけではありません。喉にいい食材を知ったうえで、バランスの取れた食事をおいしくいただくことが、一番大切だと思っています。


私の好みなど、偏りもあるかもしれませんが、このコラムで喉によい食材を少しずつ紹介していきたいと思います。これはよさそう、と思っていただけたら、ぜひ、日々の食事に取り入れてみてください。


体の中から整えて、いい歌を歌っていきましょう。