脱力することって難しい

上達の近道, 声楽

高い声が出ない
喉声になってしまう
声がかれてしまう

これらすべてに当てはまる原因の一つに、体に力が入ってしまっていることが挙げられます。力を抜くだけで問題が解決することもあるくらい、「脱力」することは上達の近道と言えます。

私は、以前、歌う時、体中に力が入ってしまって、なかなか脱力する感覚がつかめない人でした。今でも、力が入ってしまってうまくいかない時もあります。それでも、少しずつ、自分なりの脱力法を見つけてきました。

始めは、歌うためには力が必要だと思い込んでいたので、「脱力」という言葉自体、矛盾していると思っていました(;´Д`)

生徒さんの中にも、「こんなに力を抜いてしまったら歌えない」という方もいらっしゃいます。今までと違う体の使い方をするのは、勇気がいるものです。こんなのでいいの?と思うこともあるでしょう。

でも、「力を抜くこと」は、「うまく体を使うこと」につながるんですよ。

レッスンで、体の使い方を説明しますが、それは、体の力が抜けていないとうまくできません。力を入れすぎていると、自然な動きが妨げられ、思った通りに体は動かないし、喉への負担も大きくなってしまいます。

とはいえ、脱力って難しい( ˘•ω•˘ )

特に肩や喉は、どうしても力が入りやすいものです。

気付かないうちに力が入ってしまって、力が入っていること自体、なかなか気づけない。

たとえ、力が入っていることに気づけても、今度は、なかなか力が抜けてくれない。

そういう経験をされた方も多いと思います。

私は、レッスンの際、まず、体に力が入っていないか、自分で気づけるようになることが大事だといつも言います。

最初は、「今、力入っちゃったね」とか「今、力入ったの気づいた?」とか、力が入ってしまったことに気づけるように、声を掛けますが、次第に、生徒さんも自分で気づくようになってきます。そして、

「わかってるんだけど、抜けないんです。」

という言葉が出てきます。

そう、わかってても脱力は難しい(*_*;

とりあえず、今、力が入ってしまっていたことに気づけたことに「〇」をあげましょう。気づけた自分はすごい、気づけたんだから脱力できるよ、と自分に言ってあげましょう。

それから、どうすれば脱力できるか、いろいろと試してみましょう。

次に挙げたリストは、私が実際に使っている脱力法です。

  • 肩をギューッと上げてわざと力をいれてみる
  • 深呼吸してみる
  • 屈伸運動をしてみる
  • ジャンプをしてみる
  • 横になって歌ってみる
  • 低めの声で脱力して歌う感覚を感じてみる
  • 足踏みしながら歌ってみる
  • 腕を回しながら歌ってみる
  • メロディを聞きながら息だけの練習をしてみる
  • どうしても力が抜けない日は、練習を休んでみる

その日の自分に合う方法を探して試しています。そして、うまく脱力することができたら、少し時間をとって、脱力した感覚をじっくり味わいます。そうやって脱力できている感覚を体にしみこませます。

  1. 気づく
  2. 脱力する
    (上手くいかなかったら)
  3. 脱力できる方法を探して試す
    (上手くいったら)
  4. 脱力した感覚を味わう

当たり前ですが、まず気づくことがとても大事です。歌詞や音程のことを気にしていると、体に力が入っていることに気づけない、という事態がよく起こります。そして、脱力がうまくいったら、その感覚を味わう時間を作ってあげることです。せっかっく体が気持ち良い感覚をつかんだのですから、体にその感覚をしみこませてあげましょう。

私は、脱力できているかチェックするタイミングとして、生徒さんには「休符」が大事だと言っています。休符は、息を吸うタイミングであると同時に、体を緩めるタイミングです。逆に言うと、体を緩めれば、息は必ず戻ってきます。長い休符の場合、息を吸うことより体の力を緩めることに意識を持っていけば、脱力もできるし、息もしっかり吸ったことになります。

多くの方は、せっかく長い休符があるのに、なぜか歌い始める直前で息を吸います。それまで一体何をしていたの?と言いたくなってしまいます(*^_^*)

脱力することは難しいです。

以前、「慣れてきたら、力が抜けてくるからね」と言われたことがありますが、私は、力を抜いて歌う方法がわかっていないと、いつまでたっても自然には力は抜けないものだと思います。私自身がそうでした。練習しても練習しても体の力は抜けない。脱力した感覚がわからなければ、ずっと力が入ったままです。

なので、私は、初めから「脱力すること」の大切さをお話しています。すぐにできるようになるとは思っていませんよ。でも、ある程度できるようになってから意識すればいい、というものでもありません。脱力する感覚を早い段階から意識して、同時進行で、体の使い方を覚えて行くものだと思います。

脱力の方法は、先ほどいっぱい書き出しましたが、あんな感じで、たくさんあると思います。いろいろ試して、自分の引き出しを増やしていくといいと思います。いいアイディアが浮かんだら、私にもぜひ教えてください。